昨年の8月に主人の転勤のため上京してきました。
私の出身地は長崎県の松浦市というドがつくような田舎町です。「松浦」と紹介しても「どこ?」という反応がほとんどなので「長崎県の北端で平戸の入口です」と話します。上京する前に勤めていた病院は医療介護療養型病院で、目の前にオーシャンビューが広がって、といえば聞こえがいいのですが、単なる漁港で、
夜勤明けでは日の出を拝みながら仕事が出来るような自然豊かな土地柄です。
松浦のPRをさせていただくと、この田舎を逆手にとって「田舎暮らし体験振興会」という会が発足しました。
都会の中学、高校生を対象に修学旅行の一環として田舎生活体験旅行を受け入れています。そば打ち、ちゃんぽん作り、川釣りなどをした後、4~5名のグループに分かれて、一般の民家(保健所に事前登録が必要)に宿泊し、夕食作りから一緒に行います。
私の家でも上京前は学生さんを受け入れていました。夕食のメニューの定番は押し寿司(長崎ではお祝い事などでよく作ります)で、生徒さん達には好評でた。仕事を持ちながら初対面の生徒さんの宿泊を受け入れることは大変でしたが、その生徒さん達が翌朝帰るとき時に「よか」とか「ばってん」などこちらの方言を真似して話したり、「ご飯がおいしかった」と笑顔で話してくれることがとてもうれしく、また次もがんばろうという励みにもなりました。
こちらの病院には昨年の12月から勤務しています。患者さんからよく聞かれることは「瀬川さんはどちらの出身?」です。「長崎県です」と答えると「ああなるほどねー。」との反応。やっぱり訛っているのかイントネーションが違うのか、私自身はいたって標準語で話しているつもりなのですが・・・。
方言で困ったことは、ベッドサイドの環境整備で「なおしますねー。」と声をかけると、患者さんから「何?」と言われます。松浦の方言で「片付ける」や「しまう」ことを「なおす」と云います。自分で気付いていることはこれくらいですが、他にも無意識に方言が出て患者さんを悩ませている(?)のかもしれません。でもプラス思考でいけばこの訛りや方言も「出身はどこ?」から始まる患者さんとコミュニケーションを図るための第一歩であり、患者さんに和んでもらえる方法の一つなのかなと思っています。
東京弁を駆使できるのはまだまだ先になりそうですが、患者さんを悩ませない程度の標準語を話せるように努力したいと思っています。
|