私は東京で二十歳前まで育ちました(生まれは茨城県水戸市です)。都内の学校に通った私は、中学校では修学旅行で広島、高校の時は沖縄に行きました。大学受験を機会に東京以外の地に行ってみたいと思い、とりわけ修学旅行で行くことのできなかった、行ったことのない関西、特に京都に興味を持ちました。両親に断わりもせず、京都の大学を受験しました。東京の大学にも(何とか)合格できましたが、千年の都京都に行ってみたいという思いが次第に強くなり、両親にお願いし、京都で一人暮らしをすることとなりました(その後10年間を京都で過ごしました)。
京都は住んでみると盆地になっており、夏は暑く、冬は寒く、寒暖の差の激しい、暮らすには厳しい気候でした。夏はただ暑いだけでなく、盆地特有の湿気によって、気温以上の暑さ、ダルさを感じ、夏場の外出は不愉快そのものでした。冬場は雪こそめったに積もらないものの雪はよく降り、底冷えする大変な寒さで、体の芯から冷える体感したことのない寒さでした。京都の夏も冬も共通して言えることは、暑さも寒さも気温には表れない暑さ寒さがあることです。
そんな厳しい気候の京都ですが、春や秋には、そんなことを補い余りある魅力があります。春にはとても綺麗に桜が咲きます。東山では琵琶湖疏水の両端に染井吉野の桜並木が続く哲学の道、女性的な魅力のあるしだれ桜の円山公園、様々な種類の桜が見られる平安神宮、遅咲きで背丈の低い御室桜の仁和寺など名所は数えきれません。秋には京都の厳しい気候ゆえに、色付きの良い紅葉を楽しむことができます。紅葉は樹木が葉に蓄えた糖分が色づくと聞いたことがあります。盆地ゆえの昼と夜の寒暖の差が葉に分を蓄えるのに適しており、その糖分が赤や黄色と鮮やかに色を変えるようです。紅葉の名所も数多くあります。嵐山の大覚寺、東山の永観堂(禅林寺)・南禅寺、期間限定でライトアップされている清水寺・高台寺など、京都は紅葉の名所もまた数え切れません。私の一番好きな紅葉の名所は洛南にある東福寺です。緑・赤・黄色が鮮やかに入り混じった一面の紅葉を通天橋という橋から見下ろす風景(缶コーヒーBOSSのCMでタモリさんが橋から『たしかに紅葉が綺麗だねぇ。』と言っているところです。)は絶景です。地球温暖化の影響もあり年々紅葉の見頃の時期は遅くなってきていますが、個人的におすすめの京都の紅葉の時期は11月の第3週目です。
京都には他にも葵祭・祇園祭・時代祭の京都三大祭、雪の金閣寺、五山送り火、伏見稲荷大社の鳥居、などなど京都の魅力的な行事・名所は伝えきれません。秋は木々が色づき、京都が一番輝く時期の一つです。京都にぜひ足を運んで、京都ならではの『雅な秋』を感じてみてはいかがですか?
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