2005.10.28

印象に残る出来事
看護師1病棟 中村 志帆

浩生会スズキ病院に勤め、7か月がたち、多くの患者さまと関わりました。その中で、強く印象に残っている患者さまがいます。その患者さま(Aさん)は、他病棟から移られてきたばかりでコミュニケ〜ションが十分に図れていませんでした。普段、無表情な方で単調に「看護師さん」と話しかけてくる方でした。

 ある日、カ〜テンを閉めて、Aさんと同室の他の患者さまの処置をしていると、「中村さん!!!こっちにも来てよ!」とカ〜テン越しに声が聞こえてきたのです。はじめは、誰が自分を呼んだのか分からなかったのですが、その病室はAさん以外、話すことが出来ない患者さま達でした。カ〜テンを開けてAさんの方を見ると、確かにAさんが私をみて「中村さん」と呼んだのです。
 「名前を呼ばれた。」ただそれだけのことだったのですが、普段ほとんど話さない患者さまだったので、「私の名前を覚えていてくれたのだ!」ととても嬉しく思いました。そして、その時、Aさんの笑顔をはじめて見たのです。
 この事をきっかけに、徐々にコミュニケ〜ションが図れるようになり、AさんはNsコ〜ルをしっかりと握り締め、私をよく呼ぶようになりました。

 患者さまから頼りにされること、患者さまの笑顔は、看護をしていく中でとても励みになります。
 ささいな出来事だったのですが、私にとってはとても印象に残る出来事でした。
Copyright© Kouseikai Suzuki Hospital All Rights Reserved.