2006.5.19

リーダーの仕事
病棟看護師  佐藤 睦子

 当病院の病棟勤務者(日勤)は、1病棟・2病棟それぞれ5〜6名の看護師と3〜4名の看護補助者、1〜2名のクラーク(病棟事務)が勤務しており、看護師は日替わりで「リーダー」と「各病室の受け持ち」に振り分けられ、チームとして看護業務を行っています。リーダーは病棟全体を把握し、医師からの指示を受け、受け持ちのスタッフに伝えたり、反対に受け持ちスタッフより報告を受け、医師の指示を仰いだり、患者さまやご家族さまの対応をしたりなどと、その日の業務がスムーズに行なわれるよう配慮しなければなりません。
 看護経験を経ることと病院のシステムが十分に理解出来るまでは各病室の受け持ちとして検温や処置などを行ないますが、しばらく経つとリーダーを任されるようになります。しかも何の前ぶれもなく翌月の勤務表が手渡されたときに初めてリーダーをやることが知らされます。

 私は平成17年の4月に浩生会スズキ病院に入職し、この4月で1年になります。3月下旬、翌月の勤務表が手元に届いたとき、私は青ざめました。勤務表の中盤あたりにリーダーマークがついているではありませんか。まだまだリーダーなんてまわってこないだろう、と高を括っていたので「私にリーダーなんてできるのかなー?」と不安になりました。しかし「あと1ヶ月も先のことだしあれこれ考えても仕方ない。」と、しばらくその不安な思いを封印することにしました。
 最初は見習いを含め、4日間連続でリーダーをやることになっていました。どちらかといえばマイナス思考の私ですが、その前日は自分でも驚くほどぐっすり。「よし、がんばるぞ」と気合を入れて出勤しましたが、「リーダー業務」のマニュアルを見るやいなや、頭が真っ白。「リーダーってこんなにやることがあるんだー」。一気に不安の波が押し寄せてきました。そうこうしながらも日勤業務の始まり。 まず、夜勤者からの申し送りを受け、スタッフ全員でショートカンファレンスを行なう。その後、薬剤師と1日分の点滴をチェック。朝、回診で出た指示を受け、体温表、看護記録などをチェック。病室から戻ってきたスタッフより報告を受け、必要な場合医師に報告、指示を仰ぐ。内服薬のセット。看護日誌、患者申し送り簿を記入し看護部長に報告をする。大雑把に言ってこのような流れになる。しかしこれがスムーズにはいかない。医師は外来や検査、手術などですぐにコンタクトがとれるわけではないし、緊急入院もよくある。様々な問い合わせの電話にも対応しなければならない。そうこうしている間に自分の処理能力を超えパニック状態に陥る。しかしそんな自分に負けずに冷静に物事を処理していかなければならない。実際にやってみてリーダーの大変さが身に沁みた。
 4日間の「リーダー研修」もなんとか無事終了。途方にくれ、投げ出したくなったりもしたが、リーダーをやる前よりも病棟や患者さま全体が見渡せるようになったことと、少しだけ強くなれたような気がします。リーダー業務に慣れるまでにはまだまだ時間がかかると思いますが、頭と気持ちを整理しながら落ち着いて業務が進められるよう努力していきたいと思います。

 当病院の看護はチームナーシングというシステムで行っております。チームリーダー看護師は病棟全体の流れと患者さまの把握に努め、一日の業務がスムーズに行われることと、今日のチームメンバーで出来得る最高の看護サービスが提供できるように配慮することが役割となっています。個人差はありますがリーダーが出来るようになるには看護師になって3〜4年、入職して1年位はかかります。(当院の場合)看護は体力も必要ですが、リーダーになると精神的に気遣いが多く、緊張する一日です。しかし、リーダーが任されるようになって初めて看護師として一人前になった、と言えるのかも知れません。
… 看護部長 関 …

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