2006.6.12

中材って・・・
看護師 鈴木さとみ

 4月から中央滅菌材料室(以下、中材)兼手術室で勤務しています。初めての中材は約15年前、最初に勤めた病院でした。そこで今と同様午前中は中材業務、午後は手術室で手術の介助を行なっていました。
 私はあまり・・・と言うか、面と向かって「中材って何をするところ?」と聞かれた事はありません。でも一緒に働いているナースエイドさん(看護補助者)によると「○○さん、中材に勤務交替したんだってね。ところで中材ってどんな所?
 「あそこで何をしてるの?」と、よく聞かれるそうです。(最近は落ち着いてきた様ですが)「会う人会う人皆同じような事を聞いてきて、外からみるとこの中で一体何をやってるんだろうと思うんでしょうね」と話していました。確かに患者さまの出入りは手術の時位ですし、2階の一角で扉を閉めていると「ここは何?」と思っている人もいるんだろうな〜と思います。

 中材は医療材料(ピンセットなどの鋼物やガーゼなど、処置や検査・手術などに使用される物品)を滅菌(すべての微生物を死滅させる)し、過不足なく現場に提供できるようにする所です。使用した医療機器・器具は、現場で洗浄→消毒→乾燥され中材に戻ってくるので、それをシーラーと呼ばれる器械でパック詰めにし高圧蒸気滅菌(以下AC)またはエチレンオキサイドガス滅菌(以下EОG)のどちらか材質によって選ばれ滅菌された後、滅菌有効期限をスタンプし保管棚へ、または現場へと払い出されます。
 当院にはACは3台あり常時2台が稼動しています。内部が釜のようになっており120℃以上の高温となるため医療材料を取り出す時火傷の注意が必要です。EОGは1台あり週2〜3回稼動しています。EОGは有毒ガスで発ガン性を指摘されています。特に水と反応するとより強い毒性を発生するため、滅菌する物の乾燥状態は重要なチェックポイントです。医療材料を取り出す時はできるだけ皮膚を露出しないように防護し、万一に備えガスマスクも準備されています。こうして危険と隣り合わせになりながら縁の下の力持ち的存在で、中材は間接的に患者さまへの安全提供に努めています。(注:取り扱いには危険を伴うため、事前に中材の業務研修会に参加し、安全な取り扱い方を学習します)
 4月からの中材勤務ではまず、各セクション管理だったピンセットやハサミの類いを集め中材管理とし「中材からの貸し出し物品」として定数制にしました。今後、その数で足りているか、貸し出した器具類が正しく保管されているか等のチェックを定期的に行い、有効な器材の管理ができるようにしていきたいと思います。また、一つしかない中材窓口では使用済みの物品も滅菌済みの物品も一緒に回収・払い出しが行なわれていたので、混同を避けるため中材職員が現場に赴き、時間差で回収と払い出しを行うようにしました。
 一日の流れや物品の取り扱い・注意事項など誰でも同じ方法と決まりで行なえるように手順・基準・マニュアルなどの整備も大事な仕事だと考えていますので、できる限りの知識と努力・周りのスタッフからの多大な力を借り、その「基礎」を作るべく奮闘しています。

 もし機会があれば院内の方は休憩時間を利用し、院外の方は当院での看護体験などの時に中材を覗いてみてください。私とナースエイドさんがACとEОGそして洗濯機の騒音の中作業をしているはずです。「百聞は一見に如かず」ですね♪。
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