2006.9.21

出会い
2病棟看護師  佐野 眞由美

 この仕事を始めてから10年以上の歳月が経ちました。振り返って見ると、その中には数々の出会いがあり、人との出会いの中から多くを学び、私という人間が成長できてきたように思います。

 この仕事に就きしばらく経った頃、正直な所私は高齢者の方と接することがとても苦手でした。仕事で接した後は生気を吸い取られたような感じがし、とても疲労感を感じていました。それがとても嫌で、しばらくは高齢者と多く関わらなくてよい職場を選んで仕事をしていたのですが、ある人との出会いで高齢者の方と接する楽しさを教わりました。高齢者・・・特に認知症のある患者さまには、こちらが伝えたい事や守っていただきたい事が理解して頂けない事が多々あります。 私はついイライラしてしまうことが多かったのですが、その人はその出来事自体を笑い飛ばしてしまえる人でした。何事も楽しんでしまおうというのがモットーらしいのですが・・・。当時の私にはそんな事は出来ず、そういう受け止め方もあるのかととても感心していました。 その人を見習って受け止め方を変えてみようと努力をしてみると、認知症の方が意味不明なことを言われても、本当はこういうことを言いたいのかな?と、何となくですが少しずつ理解できるようになり、イライラや疲労感も減っていくように思えました。ガンコなおじいさん、ワガママなおばあさんと接しても、笑顔で対応出来る余裕もだんだん持てるようになりました。

 これは一例ですが、今までの沢山の方との出会いの中から色々な事を学ばせてもらい、沢山の出会いにとても感謝しています。私事なのですが・・・。上記のその人は私のダンナ様となり、私のお腹の中には小さな命を授かりました。日々の出会いを楽しみつつ、新しい命との出会いをとても楽しみにしながら、これからも公私共々頑張っていこうと思います。
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