2006.12.25

憧れの海外生活
病棟看護師 杉山 幸子

 私はスズキ病院に勤める前に一年間、カナダに滞在していました。それは、海外に住んでみたい、少しでも英語を話せるようになったら、という軽い気持ちからでした。海外に住んでみたいなぁと一度は思ったことのある方、多いのではないでしょうか。実際、私がカナダに行くと決めたとき、周りから「いいなぁ、私も行ってみたいけど・・・。」との言葉をよく耳にしました。以前は私もそう言っていました。それがどうして行動に移そうと思ったのか。それは、看護師として働く中で若くして癌に侵される方を何人も看てきたからです。自らが癌になることを予想している方はもちろんいなく、なぜ自分が…、まだ若いのに…、というくやしい思いで一杯になる方々。これからこんなことがしたい、こんなことをやろうなど、夢や希望を抱きながら人生設計を立てていたことでしょう。そして、私は考えるようになりました。自分もいつ病気になるか分からない、たとえ健康でいられたとしても、突然事故や災害に遭うかもしれない、やりたいことはやらなくちゃ、やらないで後悔するよりやって後悔するほうがいい、と。

 さて、実際の海外生活は、というと、これはあまり胸を張ってお話できる内容ではありませんでした。私の滞在していた街には海外からの留学生が多く、かなりの数の日本人も滞在していて、人見知りをするこの性格も相まって、友人はほとんど日本人。英語を話すのは学校にいるときぐらい。なので、英語は上達しません。しかし、同じ日本人でも年齢や性別、出身地や学歴・職歴が違えば人それぞれ、日本で看護師を続けていたら出会うことがなかったであろう人たちと出会い、たくさんの友人と、たくさんの経験ができました。そんな中でいつしか、いろいろな人のそれぞれの面をいい所として見ることが出来るようになったと思います。 例えば、口数の少ない人に対して、ある人は面白くないと思うかもしれませんが、またある人は落ち着くと感じるかもしれません。感じかたは相手次第、それを好むかどうかで変わってきます。 この考えは、今また看護師をしていろいろな患者さまと接する中でもプラスになっていると思います。

 今後もこれまでの経験を生かしつつ、出会いを大切にし、やればよかったとやらなかったことを後悔しないようにいろんなことにチャレンジして、成長していきたいと思っています。少しでも患者さまの力となれる看護師を目指して・・・。
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