2007.7.24

体は正直者
病棟看護師   池 邦代

 今では笑い話となっていますが、私にとって忘れてはならない出来事があります。

 それは、看護師になって1ヶ月が経った頃、勤務していた病棟は開設したばかりで何もかもが手探り状態、看護師の人数もギリギリの中、1から病棟を作っている時の出来事でした。数日前から風邪を引いていた私は、薬を飲みながら勤務していました。ただ熱が39度以上あり、座薬を使って熱を下げていたのです。子供の頃から病気ひとつせず、風邪も気合で治してきていたので、今回も…、とあまり気にしていませんでした。
 ところがある日、先輩看護師の一人が私の顔の赤さに気が付きました。 そのあとは、採血・レントゲン・点滴・座薬と続き、挙げ句の果てには肺炎と診断され、9日間の入院です。
 入院によって患者心理を、身をもって知ることができました。すべての患者さまに当てはまるわけではないですが、我慢できなくなるまで病院に来ないこと(行きたくないこと)、そして、ナースコールを押すのに勇気がいることです。新人看護師だった私にとって入院という経験は何にも代えがたい、良い勉強となりました。自分は無理をして仕事した、と自慢しているのではありません。私の身勝手な行動によって、患者さまをはじめ、スタッフや病院に迷惑をかけてしまったのです。その事があってから、お酒が原因ではないのですが、飲み会があっても仕事の前日は、アルコールを控えています。だから、二日酔いでの出勤は有り得ません!不摂生をしている、と感じたときは、入院をした9日間を思い出すようにしています。看護師になって5年目ですがあの時、退院後も変わらず私を受け入れてくれた先輩看護師さん達にはとても感謝しています。長期間の休みがきっかけで仕事を辞めることが少なくないからです。 もっぱら今の私の敵は、寝れないときの韓流ドラマです。ブームよりだいぶ遅れてハマってしまいました。仕事に支障が出ないようにセーブしていきたいと思います。

 後日談ですが、肺炎騒動のとき点滴や入院手続きでお世話になった先輩看護師Yさんと、偶然にもこのスズキ病院で3年振りにご一緒することができました。Yさんは その時のことを覚えてくれていて、ほかのスタッフに言いふらしていたそうです。
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