2007.9.27

日々を大切に
病棟看護師  吉久 美帆

 結婚して半年が過ぎました。一回り以上、年の離れた男性との結婚。

 旦那さまは出張が多く、一人で寂しい生活が続いたため、この4月より仕事を再開しました。看護師になってまだ1年足らずの私にとって、仕事を再開することはとても勇気のいることです。しかし小さい頃から看護師になるのが夢であり、一度は違う職業に就いたもののやっぱり夢が捨てきれず、やっとの思いで看護師免許を取得。それなのに仕事もろくにしたことがない“資格だけの看護師”にはなりたくないとの思いから再開しました。慣れない仕事、新しい職場で理想と現実のギャップに悩まされながらも看護っておもしろいなと日々感じています。それでも家に帰ると旦那さまは出張でいない。まだ半年の新婚ホヤホヤなのに一人の生活。その寂しい気持ちは満たされず、念願であった犬を飼い始めた。小さくて毛がふわふわしていてとてもかわいい男の子です。私の寂しい気持ちは一気に吹き飛んだがこれが大変・・・。仕事で排泄の援助を行うが、帰宅してからも朝起きてからも彼の排泄援助で始まる。それに食事介助、遊び、お散歩、お風呂etc。日常生活援助を家に帰っても余儀なくされている。 しかも甘えん坊の彼はいつも私の足元についてまわり、仕事に行くときは、「行かないでー。」と泣き叫ぶ。しかし帰宅した時にはこれ以上にないくらいの喜びを身体全体で表現してくれる。これがなんとも言えないかわいい仕草で疲れきった私の心を癒してくれる。しかしふと瞬間、思うことがある。 男性の平均寿命は78歳、犬の平均寿命は12・13歳。旦那さまは相変わらず出張が多く、私も夜勤などで顔を合わせない日々が続くことがある。やっと顔を合わせたかと思えば仕事で疲れ果て、家事もせずお先にグーグー寝てしまう。そしてわんこ。こんなにかわいいわんこだが、確実に成長し、あっという間に私の年齢を飛び越していく。そして旦那さまもわんこも私より先に老いていき、平均寿命から考えれば先に亡くなっていく。それを考えるととても切ない気持ちに陥ってしまう。しかしマイナスな事ばかり考えていても仕方がない。

 だからこそ思う。一日一日を大切に過ごそうと。その気持ちは病院でも同じ。一人一人の患者さまとの出会いや時間を大切に、患者さまにとって気持ち良いケア・関わりを持ち続けたいと思う。
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