2007.11.20

私の兄弟
病棟看護師  井川詩子

 12年間で6人・・両親、特に母親はすごいなと感心する。北海道の田舎で育てられた私たちは、皆、たくましく成長した。兄弟の中で色々なことを学んできたように思う。譲ること、優しくすることや親切、そしてごまかしやうそ、などなど・・・。

 今の時代、兄弟の中で学ぶことというのは比較的少ないのだろう。一人っ子、多くても3人くらいが精一杯だろう。学校や社会に出てから学ぶようなことも、一足早く体験できたのかもしれない。ラッキーだなと思う。例えば、上下関係や、いじめなど。ほかにも、上のものが下のものに教えるということもそうかなと思う。時には、下克上!こういうことって今の大人社会にも多少子供世代とは形は違うかもしれないが、よくあることだろう。さて、そんな中でわたしは、4番目の三女であるため、今思えばとてもいい位置だなと思う。比較的自由気ままにやってきたように思う。上を見ながら、ずるがしこくなったり、下を見ながら、甘える方法をみたり。でも、もしかしたら兄弟みなそれぞれ自分が一番いいと思っているのかもしれない。そう考えると、上手くこの順番で生まれてきたものだ。世の中不思議がいっぱいだ。その6人ももうみんな20歳をこえて成人した。そのため、結婚して子供がいる家庭や、学校に通っている者、仕事をしている者など皆それぞれの生活がある。最後に6人が顔を合わせたのはいつになるだろう・・・3,4年前の兄の結婚式かな。今度はいつになるかな。全員が集まったらどんな話しをするのだろう。楽しみである。兄弟でもみんな性格や趣味、特技がバラバラ。育ってきた環境は同じはずなのに不思議なものだ。これから更に年を重ね、みな大人、おじさんおばさんになり、おじいさんおばあさんに多分なっていくだろう。 でも、もしかしたら医療が飛躍的に進んでしまったら、おじいさんおばあさんになれないかもしれない。いつまでも若いまま・・なんてことになったらどうしよう。 それとか、ちょっとした拍子に私が長女になんてなったら・・やはり嫌だ。こんなことは有り得ないがたまに非現実的なことを考えるのもおもしろい。

世の中不思議なことはたくさんあり、医療もどんどん進化していくが、自然というものには誰も抵抗できない。限られた時間の中で兄弟と過ごし培ってきたものを存分に発揮し、これからも精一杯生きていきたいと思う。
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