2008.7.10

コトダマのチカラ
病棟看護師　尾崎美和子

コトダマを御存知でしょうか。言霊と書いて呪の一種でもあります。呪・・・。響きはちょっとおどろおどろしいですが、怖いものとも言い切れず。良くも悪くも効果が現れます。

　例えば氷の結晶が、かける言葉により表情を変えるというのは有名ですね。とっても綺麗。素敵。良い結晶だわと、言い聞かせて出来た結晶は細かで繊細で芸術品のようでもあります。対して、バカ。こりゃダメだなど、負の言葉をかけられて出来上がる結晶はとげとげしかったり、いびつだったりうまく結晶を形作ることが出来ません。この作用(声の波動を水に振動させる事によって得られるとも言われる)は人に対しても同様です。疲れた、疲れたと言っていると心身共に疲労困憊になってきた経験は有りませんか？外見だって変わります。美人だ、可愛いと言われるとその通りに変わり、その逆もまた然り。肌の調子だって変わっちゃうんです。人に言われるだけでなく、鏡の自分に向かって言い聞かせるのでも十分。これを看護に生かしてみたらどうか？例えば、「今日は顔色が良いですね。」「咳が少なくなりましたね。」「食欲が出てきましたね。」劇的変化は見られずとも、一週間、一ヶ月と長いスパンで比較すると変わっていくのではないか？褥瘡だって改善するかもしれない。と、日々考えています。もちろん、良くなっていくのは医療のおかげでしょう。

　ただそのお手伝い、サプリメントのような役割を果たす「コトダマナース」で私はありたい。