2009.7.12

スズキ病院に入職して
病棟看護師 瀬良垣 愛

 今年の2月から入職して5ヶ月が過ぎようとしています。看護学校を卒業後、クリニックに勤め、患者さま個人以外にも患者さまの家族と関りながら地域と密着した看護を学んできました。しかし、看護学校を卒業して病院勤務の経験がないため、基礎的な技術や病気の症例も経験しないまま過ぎていく日々に焦りと不安を感じていた時に、たまたま前を通ったことでスズキ病院を知り、不採用覚悟で面接を受け入職することが出来ました。病院の勤務経験がないのは看護師として未経験と同じ事と考えていた私は初日から緊張し、患者さまに声をかけるのも不安でいっぱいでした。しかし、先輩スタッフに指導してもらいながら徐々にではありますが緊張も和らいでいきました。

 病院勤務経験がない私はもちろん夜勤業務の経験もありません。今は夜勤業務に就くようになり、人の死に立ち会うようにもなりました。急変の際、焦りが先に出てしまい冷静な対応が充分出来ない時や、家族や他のスタッフへの報告に時間がかかってしまったり、などの不手際で患者さまと家族の方々がゆっくりとお別れが出来ない場面など、私以外の看護師なら患者さまも家族ももっと満足出来たのではないかと…。気持ちの整理が出来ない日々も続いているのも正直なところです。そんな私を先輩看護師は、対応の反省点・改善点などを夜勤明けの疲れている時でも指導していただき次への具体策を立てるヒントを与えてくれ、その度に患者さまを通じて学ばせてもらえた事への感謝でいっぱいになります。

 看護師という仕事は“死”に直面する場面を避けられないと頭では理解していたのですが、いざその状況になった時に何も出来ないという無力さと、死への恐怖が私の心に残ってしまい、その度に看護とは何なのか、何をしなければならなかったのか、してあげられたのかを考え、でも今は分かりません。きっと、すぐには理解できる問題ではないと思いますが、患者さまと病院スタッフの力を借りて一歩ずつ学んでいけたらと考えています。
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