2009.12.31

新年、振り返りからの始まり
2病棟看護副主任 今村 由

 新年、明けましてお目出とうございます。新しい年が始まりました。今年の抱負を持ち、一年を始めた方もいと思いますが、その時、去年のことを振り返り新しい抱負を考えているのではないでしょうか? 私自身も振り返るとあれこれ忙しい一年でした。病院という場所は元気になって帰られる患者さまと、残念ながらお亡くなりになられて帰られる患者さまもいます。そんな中で私たち看護師は、日々自分たちの看護に対し、良い看護ができたか、患者さまやご家族さまが納得し満足をしていただけた看護が行えたのだろうかなど、日々反省と振り返りの毎日です。

 私は去年11月に入院し、患者となり、手術を行い、自分自身の看護を振り返ることができました。医療従事者である私は一般の方より理解をしているということもあり、あまり不安もなく簡単に考えていました。ところが予定よりも手術後の経過が悪く、予定以上に入院日数がかかりました。その中で考えたことは、家族のこと、仕事のこと、体のことなど徐々に除々に不安が募っていきました。そのときには考えられませんでしたが、私が関わってきた患者さまもこのような不安を抱えていたのかなあー、と考えさせられました。その時私は、不安を和らげられるような看護ができていたのだろうかと振り返ることができました。
 現在の法律では、「看護業務とは、診療の補助と療養上の世話」に分けられていますが、医療が進歩している現代はどうしても診療の補助に目が行きがちの傾向にあるように思います。しかし、この入院を機に、療養上の世話の大切さを再確認させられました。看護師の方々の表情や些細な会話の中にある自分を見てくれているという態度は、患者の私にとっては心強いものでした。患者さま目線の体験ができたことは貴重だったと思います。そして、看護というものの深さを再確認しました。
 専門職者である私たちは知識も技術も大事です。しかし、患者さまの体と心のケアを行うことが一番大切ではないかと思います。病気になり、患者さまの立場になり、看護というものに触れ、私自身の看護を振り返ることができ、本当に貴重な経験でした。これからはこの経験を生かし、スタッフにも「看護」の心を伝えていきたいと思います。それを今年の抱負にします。

今年も日々の振り返りを繰り返し、良い看護が提供できるよう努力して行きます。皆さまも、お元気で、良い一年でありますように、お祈りをいたします。
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