2010.3.27

私が看護師になった理由
2病棟看護師  飯尾 瑞穂

 4月から新年度。新生活を始められる方もいと思います。私も看護師となり、早いものでいつの間にか8年がたちました。 私が看護師になりたいと思ったのは、高校受験の時です。それは祖父の死がきっかけでした。

 私が中学生の時、祖父が入院することになりました。祖父は無口だけれど、とても優しい人で私は大好きでした。祖父は肺がんの末期でした。私の田舎は鹿児島にある小さい島なので専門の病院まで車で一時間以上かかりましたが、母は毎日仕事が終わってから祖父のお見舞いに行っていました。しかし最期は家で看取りたいといい、家に連れて帰ることになりました。最初の方は祖父も家に帰ってきたこうれしそうにニコニコして一緒に蕎麦を食べたり、テレビを見たりしていましたが日に日にご飯が食べられなくなり、歩くことや起き上がることさえままならなくなってきました。そしてそんな祖父に私は何もできず、ただそばにいることしかできませんでした。ある晩、祖父は静かに息をひきとりました。もっともっとお世話すればよかったと後悔の気持ちがいっぱいでした。私は看護科のある高校に進路を決めました。
 看護師となり、たくさんの患者さまの最期に立ち会うこくありました。新人のころは自分が、いっぱい、いっぱいで患者さまやご家族に満足な看護の提供ができず葛藤もくありました。今でも満足はできておらず、日々、上司や先輩方、患者さま、ご家族の方に勉強させていただいています。

 患者さまのくは家で最期を迎えたいとおっしゃいますが、いろいろな事情のため病院で最期を迎えられる方がいのが現状です。私たち看護師が少しでも患者さまのご家族の代わりとして心を込めた看護を提供していけたら,と思っています。
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