2010.12.1

別府温泉 〜マイ・ベスト・オブ・温泉〜
病棟看護師   照岡 香織

 私の出身地、大分県は温泉が有名である。一般的には湯布院温泉が注目されることが多いが、私はあえて別府温泉をお薦めしたいと思う。別府は実家から比較的近く、子供の頃から買い物やレジャーなど、遊びに行く機会もなく、また、東京に住むようになって近郊の温泉に行くようになると、別府温泉と比べるようになり、その良さを再認識する結果となった。そこで、来年の目標の一つに『別府八湯温泉道』の段位取得を目指そうと考えている。
 まず、いくつか説明をしよう。

 最初に、別府八湯。別府市には八つの個性豊かな温泉郷があり、別府温泉もその一つ。他には観海寺、浜脇、堀田、明礬、鉄輪、柴石、亀川がある。総湧出量は日本一で、一日あたり13万klといわれている。これは、日本国民全員が1日に1リットルずつ湯を利用できる計算になるそうだ。
 次に、別府八湯温泉道。これは数ある温泉から選ばれた139湯のうち、八十八湯をめぐるスタンプラリーのこと。スタンプが8つ揃えば初段、16で2段というふうにスタンプの数で段位が上がる。段位認定者はそれぞれの色の認定タオルがもらえ、初段は白、五段は赤、名人は黒というふうになっている。ちなみに、七段以上の高段位取得者は「泉生(せんせい)」となり、各旅館やホテルの温泉入湯無料券がもらえる。別府は市営の温泉が多いため、高くても500円、大半は100円や200円で入浴することができる。なかには無料という温泉もあり、これはお賽銭というかたちで料金を払うようになっている。
 そして11種類の泉質のうち10種類が湧き出ているため、泉質の異なる温泉を組み合わせて入る“機能的入浴法”が楽しめる。たとえば、強酸性泉の「明礬温泉」で皮脂と汚れをしっかり落とした後に、肌に優しい弱酸性の「鉄輪温泉」で保湿するといった美肌のための組み合わせ入浴法を楽しめる。この安価な料金設定と泉質の豊富さに加え、もうひとつおススメしたいのは街並みだ。
 別府の街は、戦災に遭わずに終戦を迎えたため、国道を除けば道路は狭いし、街並みも一歩大通りから外れれば昔ながらの低くて古い家や店が多い。町のランドマーク的な存在の竹瓦温泉は明治12年創業、駅前高等温泉は大正13年に建てられたレトロな洋館だ。昭和の香りが色濃く残っている街、そこに私はとても惹かれる。

 これから寒くなって、いよいよ温泉が恋しくなる季節。家族や友人と、そして一人でもきっと楽しめる旅になるので、別府へぜひ来ちょくれー(来てねー)!
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