毎年「あじさい会」という同窓会に出席しています。最近は勤務の都合などで出席できない年もありますが、毎年楽しみにしている会です。看護師になって最初に配属された外科病棟に在籍していた看護師たちが集まる会で、毎年、1泊2日で開催されます。今では退職された人、定年を迎えた人、結婚を機に他県へ転居した人など様々です。その頃から十数年と経っていますが、この日だけはあの頃に返ったように、看護観を戦わせたり、熱く語り合える最高の時間です。
もう20年近く前になりますが、この当時の外科病棟は「魔の病棟」と言われるほど怖いと恐れられている看護師たちが集まっている病棟でした。配属が決まった瞬間、泣き崩れたのを今でも覚えています。(笑)私は働きながら夜間の看護学校に通っていました。日中は病棟勤務、18時から21時まで通学、さらに夜中0時半から深夜勤務ということもありました。準夜勤の先輩に申し送りをするわけですが、もう地獄・・。「なんでこの検査をしたの?結果は?」「なぜこの治療になる?」「この薬を使用する意味は?」「患者さんの思いを聞いてみたの?」「なぜこう接したの?根拠は?」などなど質問攻め。答えられないと「深夜勤までに考えてきなさい。」とこうです。学校が終わっても仮眠なんてとっていられません。まあ毎日がこんな感じでしたから「この~いつか見返してやるー」という気持ちで過ごしていました。(笑)でもどうしてもそんな厳しい先輩達のことが嫌いにはなれませんでした。いつも患者さんには頼りにされていて、医師とも意見を言い合い、自信に満ち溢れている、そんな先輩達でした。もちろん、病棟全体が活気に満ちていて、意見があれば遠慮なんてしない、そんな看護師達の集まりでした。時には口論になったりもしましたが、目指すところが同じ仲間たちだけあって、最後にはお互いを高めあえるそんな病棟でした。今思えば、プロとしての厳しさ、やりがいを教えてくれたのだと思っています。そんな「魔の病棟」での時間が、今の私の原点だと感じています。
だからこそ、この「あじさい会」は、時として忘れてしまいがちな自分の原点に戻れる唯一の時間なのです。懐かしむばかりではなく、思いはそのままで、今のそれぞれの立場にあった方法を熱く語り合う・・。来年の「あじさい会」が待ち遠しいです。
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